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2022年7月26日
不動産を活用した相続税対策
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2022年7月25日
相続税の失敗事例
生前から相続税対策をして、税金の負担を減らそうとお考えになる方もいらっしゃるかと思います。相続税対策のための仕組みや制度については・・・
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亡くなったご家族から財産を受け継いだ際に、相続税を納めなければならない場合があります。相続税は、遺産となる現金や預貯金・・・
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相続税を申告・納付する義務者
1 誰に相続税の納税義務があるのか
被相続人が亡くなった後、自分が相続税を支払うことになるのか、そもそも相続税の申告が必要なのかについて、お悩みの方もおられるのではないでしょうか。
相続税は、相続財産を取得した方が、その取得した財産の価額に応じて支払うべき税額を算出することになります。
しかし、相続人であれば必ず全員が相続税の納税義務者になるわけではありません。
被相続人の死亡に伴い相続財産を取得した人は、法定相続人でなくとも相続税の納税義務者になり得ます。
2 そもそも相続税申告が必要かどうかの確認をしましょう
被相続人にプラスの相続財産がある場合であっても、全てのケースで相続税の申告が発生するわけではありません。
相続において、相続税申告をする必要があるかどうかの目安として、相続税の基礎控除というものがあります。
基礎控除の金額は、「3000万円+(600万円×法定相続人の数)」で計算されます。
基礎控除額を超えると相続税申告が必要になります。
3 相続税の納税義務者になる場合
⑴ 相続により相続財産を取得した相続人
相続が発生した場合、通常は、法定相続人が被相続人の相続財産を、遺言や遺産分割協議の結果に基づいて取得することになります。
相続税の納税が必要なときには、相続財産を取得した法定相続人が納税義務者となり、取得した相続財産の割合に応じて相続税を納税する必要があります。
⑵ 遺言によって財産を取得した受遺者
被相続人が、生前、法定相続人以外の第三者に財産を譲るという内容の遺言を作成していた場合、遺言によって財産を受け取った方は、相続税の納税義務者となります。
⑶ 死因贈与によって財産を取得した受贈者
被相続人が、生前、法定相続人以外の第三者との間で、その第三者に財産を譲るという内容の贈与契約をしていた場合、その死因贈与によって財産を受け取った方は、相続税の納税義務者となります。
⑷ 相続時精算課税制度の利用者
被相続人から生前に贈与を受け、相続時精算課税制度を使って贈与税申告をしていた人も、相続税の納税義務者となります。
4 納税義務者であっても相続税を払わなくてよい場合もある
最初にご説明したように、相続税の納税義務者であることと、相続税の申告や納税が必要であることは、必ずしもイコールではありません。
納税義務者であっても相続税の申告が不要な場合もありますし、納税義務者であり相続税の申告が必要であっても最終的に相続税の納付が不要になる場合もあります。
なお、申告義務者であるにもかかわらず、申告も納税も不要な場合というのは、課税価格の合計額が、基礎控除額の範囲内である場合です。
他方、課税価格の合計額が基礎控除額を超えた場合は、相続税の申告が必要です。
もっとも、要件を満たしていれば、小規模宅地の特例、配偶者の税額軽減、未成年者控除、障害者控除といった特例を利用することで税額がゼロになり、納税が不要となることもあります。
相続税を申告する場所(納税地)
1 相続税の納税地は、遠方である可能性もある
相続税の申告・納税地は、「被相続人」の最後の住所地(お亡くなりになられた時点での住所地)を管轄する税務署となります。
「相続人」の住所地ではないため、注意が必要です。
特に、被相続人の住所地と相続人の住所地が離れている場合は、相続税申告に要するリードタイムも変わってくるので、申告が遅れないようにする必要があります。
2 相続税の納付書
相続税を納付する際は、「納付書」という書類が必要です。
納付書に、相続税申告書に記載された納付税額を記入し、お近くの金融機関等に提出して納付をします。
相続税の申告・納税地は被相続人の最後の住所地を管轄する税務署ですが、納付書はお近くの税務署でもらうことができます。
事前に納税地の税務署を調べておき、お近くの税務署で納税地税務署を伝えれば、納税地税務署を印字した納付書をもらうことができます。
3 申告期限が近い時は特に注意
相続税の申告・納税地が遠方にあっても、それ自体はあまり大きな問題はありません。
直接税務署に赴き、対面で質問・検討をしなければならないような複雑なケースは例外ですが、多くの場合、相続税の申告で納税地の税務署に行かなければならないことはありません。
納税地の税務署が遠方にある場合で、問題となるのは、相続税の申告期限が間近に迫っているケースです。
相続税の申告は電子申告も可能ですが、電子申告をしない場合は、申告書類を送付しなければなりません。
相続税の申告書は信書に該当するため、信書を取り扱うことができる事業者に、依頼する必要があります。
一般的には、日本郵便株式会社(いわゆる郵便局)で、信書を扱えるサービスにて郵送します。
この場合、消印が有効になりますので、申告期限の日までに消印を押してもらえれば、申告期限内に申告をしたことになります。
もっとも、何らかの事故があって相続税申告書が納税地の税務署に到達しなかった場合、リスクを伴うことになりますので、納税地の税務署が遠方である場合は、最低でも1週間程度の余裕をもって送付したいところです。
土地がある場合は相続税に強い税理士に相談を
1 相続税は相続財産の「評価額」に対して課税される
相続税は、相続財産の評価額に対して課税される性質があります。
評価額が高いほど、相続税額も高くなります。
そして、この評価額は、相続財産の種類によっては、適法に下げることができます。
特に評価額を低減できる可能性が高い相続財産は、土地です。
もっとも、土地の評価は様々な手法や特例の適用があるため、相続税申告の経験が豊富な税理士でないと、適切な評価減を実現できないことがあります。
2 土地の評価の基本
土地は、基本的には、路線価が設定されているものであれば、路線価図を参照して得られた路線価に、土地の面積を乗じて評価額を計算します。
路線価が設定されていない土地の場合、倍率地域となりますので、固定資産評価額に対し、倍率表に定められた倍率を掛け合わせて評価額を計算します。
3 専門的な土地の評価技法
⑴上記2までであれば、相続税申告の経験がない方でも、すぐにできます。
もっとも、多くの場合、上記2で算定した金額よりも、評価を下げられることがあります。
そのためには、専門的な技法が必要となるため、相続税申告の経験が多く、評価に熟練した税理士に依頼するのが得策です。
代表的なものとして、補正があります。
ほとんどの土地は、きれいな正方形ではありません。
中には複雑な形状をしているものがあります。
このような土地は使い勝手が悪いため、補正値を掛け合わせることで、評価額を下げられます。
一定規模を超える広さの土地については、これも使い勝手が悪いことから、評価を下げられることがあります。
土地が存在する地域や、都市計画法等を考慮する必要がある場合にも、専門的な計算が必要です。
土地の上に存在する自宅建物に、相続人が同居していた場合は、特例を適用し、大幅に評価を下げることができることがあります。
土地を賃貸している場合は、借地権割合を控除することができる場合もあります。
また、賃貸不動産が存在する土地で、相続人が賃貸事業を引き継いでいる場合は、特例を適用して大幅に評価を下げることができることもあります。
⑵上記とは別に、公開されている情報だけでは土地の評価ができない場合もあります。
倍率地域ではないのに、路線価が定められていない土地や、「個別評価」とされている土地です。
これらは、税務署等に個別評価申請をすることで評価額を求められますが、場合によっては差し引き計算等の技法により、評価額を求めることもできます。
相続税申告を検討するタイミング
1 相続税の検討は早ければ早いほどよい
結論から申しますと、相続税申告の検討はできるだけ早く始めた方がよいです。
相続税申告期限は、相続の開始を知った日から10か月です。
相続税申告の準備は、予想以上に時間がかかることがあります。
検討を始めるのが遅いと、相続税申告の準備のために非常に忙しくなったり、余分なコストがかかってしまったりします。
2 相続税申告期限
相続税申告の期限は、相続の開始を知った日から10か月ですが、実務上は、被相続人が亡くなった日から10か月以内に行います。
この期限までに、相続税申告のために必要なすべての資料を揃え、相続税の計算をし、かつ「納税」をしなければなりません。
3 相続税申告のために必要な期間
相続税申告に必要な資料は、とてもたくさんあります。
まず、被相続人や相続人の方の戸籍謄本類は、相続財産の内容にかかわらず、必ず用意しなければなりません。
被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍をすべて集めますので、本籍地が遠方にある場合は、2~3か月程度要することもあります。
預貯金通帳がある場合、普通預金であれば預貯金通帳で足りることもありますが、定期預金がある場合には、金融機関で経過利息計算書というものを発行してもらう必要があります。
これにも1か月程度の時間がかかります。
不動産がある場合、少なくとも地番に関する情報が必要です。
土地については、地番がわかれば、ある程度の評価は可能ですが、複雑な形状の土地や原野などの場合、現地調査を行うこともあり、時間が必要です。
建物や、倍率地区の土地の場合、固定資産評価証明書が必要になります。
近い場所であれば市役所で直接入手できますが、遠方の場合郵送で取得するので、時間がかかります。
株式や投資信託も、正確な銘柄が分からない場合、証券会社等で残高証明を取得する必要があるので、これにも1か月程度時間を要します。
そのほか、専門家に依頼する場合は、最終的に提出する相続税申告書の内容のご確認をいただく期間を考慮する必要もあります。
4 納税資金の準備
相続税申告書の作成と並行して、納税資金の準備が必要です。
預貯金や有価証券が十分にある場合は、解約と名義変更手続きを行い、手元に現金、預貯金を用意しておきます。
この手続きも、遺産分割に争いがない場合であっても、1~2か月程度必要です。
預貯金や有価証券が少ない場合、不動産の売却も考えなければなりません。
不動産の売却をする場合、まず相続登記を行わなければならないうえ、売買契約の締結から決済、入金まで数か月かかることもあります。
相続税申告の際にご用意いただきたい資料
1 相続税申告の際、最も時間がかかる作業は資料収集
相続税申告の期限は、相続の開始を知った日から10か月です。
実務上は、被相続人がお亡くなりなってから10か月以内に申告、納税をすることがほとんどです。
10か月という期間は、長いように見えて短いです。
被相続人の方がお亡くなりになってからすぐに相続税申告の準備を始めれば、余裕はあります。
しかし、実際には数か月経ってから準備を始めることが多いです。
そして、相続財産の内容によっては、非常に資料収集が大変で、時間を要することもあります。
そのため、準備の初期段階で、どれだけ資料を用意できるかが、申告期限との関係では重要な要素になります。
資料の収集で不明な点やご不安な点がありましたら、お早めに税理士法人心 柏税理士事務所にご相談ください。
2 税理士に相談する際、予め用意いただいた方が良い資料
相続税申告に必要な資料の中には、税理士に依頼しないと取得が難しいものもあります。
逆に、相続人の方でも用意できるものもたくさんあり、かつ相続人の方が取得した方が早く用意できるものもあります。
以下、相続人の方にご用意いただいた方が良い資料の代表的なものを説明します。
⑴ 戸籍謄本類
被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍と、相続人の現在の戸籍謄本が必要です。
法定相続情報一覧図があれば、それでも代用できます。
被相続人の昔の戸籍の本籍地が遠方にある場合や、相続人の方の本籍地が遠い場合には、税理士が職務上請求により取得することもできます。
⑵ 預貯金通帳、残高証明書、既経過利息計算書
被相続人がお持ちだったすべての口座の預貯金通帳(過去3年以上の履歴があるもの)、通帳がない場合には被相続人死亡時点での残高証明書、定期預金がある場合には被相続人死亡時点での既経過利息計算書を、金融機関で取得します。
通帳がない場合、過去3年分の取引履歴もあるとよいです。
預貯金が多額である場合、過去の金銭の出入りについて、説明できるようにする必要があるためです。
残高証明書や既経過利息計算書、取引履歴は税理士が相続人の方を代理して取得することはできます。
しかし、金融機関指定の委任状を用意したり、郵送でのやり取りになったりなど、かなり時間を要することがありますので、相続人の方にご用意いただいてしまった方がスムーズに相続税申告の準備ができます。
⑶ (不動産がある場合)固定資産税納税通知書、名寄帳、固定資産評価額証明書
被相続人名義の不動産の情報を読み取るために必要になります。
固定資産税納税通知書には、当該市町村内にある不動産の地番等が記載されているため、これを元に税理士の方で登記情報の取得ができます。
名寄帳でも同じことができます。
固定資産評価額証明書は、建物の相続税評価額を計算したり、倍率地域の土地の相続税評価額を計算するのに用います。
これらも、委任状をいただければ、税理士が代理して取得できますが、プロセスが増えてしまうため、時間がかかります。
⑷ 株式や投資信託のレポート
被相続人がお持ちだった株式、投資信託の銘柄が一覧化された情報をいただくことで、税理士の方で相続税評価額を計算することが可能です。
⑸ 自動車(自動二輪含む)の年式、型番に関する資料
車検証や、保険契約書類など、被相続人名義の自動車の年式と型番が分かる資料を提供いただくことで、相続税評価額を計算できます。
⑹ 生命保険に関する資料
死亡保険金を受け取った場合、受取時の資料をご提供いただくことで、みなし相続財産である死亡保険金の評価ができます。
また、死亡保険金ではなく、生命保険に関する権利(受取人が被相続人になっているものなど)は、被相続人死亡時点での評価証明書をご提供いただきます。
⑺ 葬儀費、火葬費の領収書、明細書
これらは相続債務と同様に、相続財産の評価額から控除できますので、ご提供いただきます。
⑻ 被相続人の債務に関する資料
被相続人に借入金がある場合(ローンを組んで収益物件を購入した等)、金銭消費貸借契約書と、被相続人死亡時点での残債額証明書をご提供いただきます。
これも相続財産の評価額から控除できるので、相続税を抑えることができます。